▲欧州的登山生活▲

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第43号: 雨中の歩荷訓練ビバーク山行(ホープ森林)

発行日
2007/02/20
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。

先の 9月の連休に日本でアルプス縦走をしました。その前の8月中旬、 英国の丘陵でなまった体に鞭打つべし、と、実に久々の歩荷 訓練山行に出かけました。単に歩荷山行だけだと面白みに欠けるので、 ビバークも組み合わせることにしました。 例によって地図とにらめっこした結果、ピーク地方のホープ森林(Hope Forest)内に ぽつんとある三角柱辺りに行ってきました。

今回は、その歩荷山行の記録を中心としてお送りします。 併せて、前回に引続き、ピーク地方の紹介文第二回を書きました。 また、アウトドアに興味のある英国の若い人の有名な目標のひとつで あるエディンバラ公爵賞について、述べています。 お楽しみ下さい。

目次


登山記録編 〜〜 雨中の歩荷訓練ビバーク山行(ホープ森林) 〜〜

今日はしとしと雨。景観を楽しむ山行ならがっかりだろうけど、今回は訓練だから 別にそれでいいか。いやむしろ、ビバークするには、そんな天気の方が いい経験になるってものだ。悪くない!

19時発、薄闇せまる雨の中、大荷物背負って、 歩いていく。途中のとあるキャンプ場近くで若い人に声をかけられた。
「エディンバラ公爵賞でも目指しているの?」
あはは。まぁ、こんな変な時間にこんな大きな荷物持ってしんどそうに歩いて たら、特別な目的でも持ってやっているようにも見えるか。遅くなったのは 単に怠惰なだけで、宿泊場所に縛られないで済むというビバーク山行のメリット を生かし(過ぎ)ているだけですが。 でも、ということは、僕は 25歳以下に見えた? それはどうも(笑)

ホープ森林は地域の名前で、実はそれほど木があるわけでもなく、 荒野の中を(登山道沿いに)歩いていく。 完全に暗くなる頃(21時15分前)に、今日の目標の岩場 Alport Castle に 着いた。 雨が降る今日、岩陰にいいビバーク地があれ ば……、というのが目論見。偵察、偵察 — おぉ、なかなかよさそうな場所があるではないか。 ちょっとした窪みで雨から半分守られる、下も割と平坦。 ここにしよう。

ヘッドランプの灯のもと、 岩のクラックにナッツをぼこぼこはめこんで、ツェルトを設営。 22時すぎにビバークの準備完了。外に雨音を聞きながら シュラフカバーの中にもぐり込む。(21時の時点で)気温 15℃だから、 濡れさえしなければ特に寒くもない。22時半頃就寝。

翌朝 6時起床。快適によく眠れた。 一晩中、よく雨が降ってくれたが、今はやんでいる。 朝起きてビバーク地を見ると、下にたくさんの羊の○×△が……つまり、ここは 羊どもの便所だったのね……。いや、いいクッションでしたよ、はい(涙)。 昨晩は暗過ぎて分からなかったのだった。もっとも、分かっていても、 これだけのビバーク地が他に見つけられるかどうかは疑問だから、結局、 ここにしたかも。だったら、知らぬが仏だったかな?

この日、丘陵地帯の中心の三角柱まで行って帰ってきたのだった。結 局、2日間で歩いたのは 5時間弱なので訓練というには甘々だったが、 なまった体にはちょうどいい、ということにしておきますか……?

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20060819_hopeforest.jis.html


英国の山紹介編 〜〜 ピーク地方 (Peak District) (その二) 〜〜

(前号(第42号)「ピーク地方 (その一)」からのつづき。)

ピーク地方の岩登りを特に特徴づけているのが、グリット岩(grit stones)です。 グリット岩は砂岩の一種ですが、丈夫で、摩擦が非常によく効く岩で、 多くのクライマーに熱愛されています。グリット岩はピーク地方の 専売特許というわけではありませんが、ピーク地方には良質のグリット岩の 岩場が特に多くあります。前述のスタニッジ・エッジをはじめ (南)東部グリット岩地帯が、中でもメジャーです。 しかし、東部だけでなく、南西部には ローチズ(Roaches)と いう西の雄のグリット岩場があります。スタニッジほどではないまでも広大な岩場 です。その他ピーク地方西部、北部にグリット岩場は点在します。

僕の知る限り、 ピーク地方のすべてのグリット岩場には、ボルトは原則として打たれていません。 たとえばスタニッジ・エッジには文字通り 1本のボルト、ハーケン、ピトンも ありません。もちろん、今から登る人がそういったものを使用するのも厳禁です。 このクリーンな倫理観が、ピーク地方グリット岩のロック・クライミングを特徴づける ひとつでしょう。

一方、ピーク地方南部から中心部を南北に横断する形で、石灰岩地帯が存在します。 多くのマルチピッチの岩場が散在します。グリット岩と違い、昔のピトンが そのまま残されている場所も少なくなく、今でもそれを中間支点に利用するのは 普通です(ただし、新たに打ち込むのは厳禁)。また、何箇所かの岩場では、 ボルトが打たれて、スポーツ・クライミング用岩場となっています。確か 2006年現在の英国の最高難度のスポーツ・ルートはここピーク地方にあった と思います。 また、石灰岩があるということは、洞窟も少なからず存在します。だから、 洞窟探検(ケイビング)も盛んです。

(つづく)


登山ミニ知識編 〜〜 エディンバラ公爵賞 〜〜

エディンバラ公爵賞(Duke of Edinburgh Award)とは、14歳から25歳の 青少年(性別問わず)で、アウトドアで一定のことを成し遂げた人に 与えられる賞で、英国ではかなりの知名度を持ちます。 レベルに応じて、銅賞(Bronze)、銀賞(Silver)、金賞(Gold)があります。 たとえば、金賞では、5日間以上外での宿泊を含む活動が必要とされる、 などなど。与えられる人数に限りがあるわけではないので、つまり、 誰々より優れた何々をしなくてはならない、という基準ではないので、 人との競争ではなく、むしろ自分との戦いになる賞です。
 △参考: http://www.theaward.org/ (公式ページ)


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次回予告

次回は… 「虹の湖水地方」

See you later!


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