▲欧州的登山生活▲

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第75号: ケアンゴームで冬山入門 (後編)

発行日
2008/08/12
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
前回に引続き、ケアンゴーム冬山登山の記録を中心とします。 今回は、初心者ニールを初の冬期登攀(クライミング)に 連れて行きました。日本で冬山登山と言えば、まず雪上を歩くこと、 次いで幕営や雪洞といった感じになるような印象を僕は持っていますが、 英国の場合、クライマーにとっての冬山とは、いきなり急斜面(垂壁)を 登ることになる、という印象です。実際、 普通のピッケル一本持っていないのに、(氷壁登攀などの)ダブルアックス用の バイル 2本を所持している、という人が周りに少なからずいます。 初めての冬山がのっけから氷壁登攀(アイスクライミング)、という人も 必ずしも珍しくないようです。

おそらく決定的な違いは、日本の場合、冬山は山深いため、2日以上籠るのが 当然なのに対し、英国の場合、冬山であってさえ日帰りできてしまう ことが大半、ということでしょう。加えて、英国は雪が少ないため、 雪崩の危険が日本よりはるかに限られます。つまり結局、自然状況による 危険度が相対的に低いため、その分、比較的気軽に登攀という遊びができる、 ということなんだと思います。

連れのニールは冬山は初心者と言えど、夏は何年も経験がある 立派なクライマー。だからこそ、登攀は当然なのです!
併せて、スコットランド冬期登攀難易度についての紹介文(その一)を書き、 ケアンゴームについての紹介文も 含めました。 お楽しみ下さい。

目次


登山記録編 〜〜 ケアンゴームで冬山入門 (後編) 〜〜

今日は、登攀ことはじめ。 (スコットランド冬期登攀)難易度 II の Spiral Gully から、その直登フィニッシュ (III) のルートを。

第三ピッチまで、軟雪から始まって堅雪へ、そして 岩交じりのトラバースから斜上する。 そして第四ピッチ、岩のチムニー。条件がよければ氷が結構はりそうだが、 今日の薄い(thin)条件では、ほとんどドライツーリング。ピッケルを 離して(手袋の)手で登る場所もしばしば。

この辺りでそろそろルートは終わるはず、と思っていたところが……、 実は、この後まだ 2ピッチ、100m 以上、ミックスのルートを 登ることになった。僕は楽しかったけれど、ニールは 疲労の色がかなり濃かった。とはいえ問題なくフォローしてきて感心!

翌日調べたところでは、ルートを途中から外していた ことが分かった。結果、別の難易度 III 4 のラインを通ったらしい。 しかものみならず、そこから、 さらに別の難易度 IV 5 のラインに流れていっていたようだ。 どおりで難しかったわけだ! ニール、生まれて初めての冬期登攀初日からそんな難易度を登る羽目に なったのに、よくぞフォローしてくれました。 お見事!

そんなニールは翌日、ばりばりの氷壁をこなし、翌々日には 180m の ルンゼのルートを僕と共に 30分で登り切る、と成長目覚しかったのだった。 リーダー冥利につきます!

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20080209_cairngorms.jis.html


登山ミニ知識編 〜〜 スコットランド冬期登攀難易度 (その一) 〜〜

岩登りのフリークライミングに難易度があるように、 冬期登攀やアルパイン・クライミングにも各種の難易度が存在します。 ただし、比較的客観的な難易度設定が可能な岩登りに比べて、 冬期登攀では、環境や自然状況によって実際の困難さは大いに変わってくるので、 注意が必要です。極端な話、もしルート中の滝が凍っていなければ、 氷壁登攀は不可能なので、その状況での難易度はいわば無限大になる、 というわけです。

冬期登攀でも、例によって世界中にいくつもの種類の難易度が存在していて、 スコットランドにも冬期登攀用の独自の難易度 Scottish winter grades (スコットランド冬期登攀難易度)があります。 なお、スコットランドと名はついているものの、実際は英国全土、つまり 湖水地方やウェールズでも標準的に使われている難易度です。

(つづく)


英国の山紹介編 〜〜 ケアンゴーム(Cairn Gorm)山と北圏谷 〜〜

ケアンゴーム(Cairn Gorm)山は、ハイランド中北部に位置する標高 1245mの山 です。頂上の 150m下付近まで 登山列車が通っていて、また列車の駅から山頂までの道も整備されて いるので、スコットランドで最も楽にアクセスできる山の一つでしょう。 ケアンゴーム山の北斜面(特に Coire Cas(カス圏谷))は英国一のスキーリゾート になっています。実際、雪の条件は、英国で最高と聞きます。 それでも、気温や降雪量の関係で、2月でさえ地肌が顔を出すこともあり、 全面オープンしているかどうかは時の運です。特に近年(2008年現在)は 温暖な年が続き、スキー場の経営は四苦八苦しているようです……。

この付近で クライマーに特に人気が高いのは、ケアンゴーム山の北壁(のうちの二つ)です。 正確には、ケアンゴーム山のすぐ隣の山の北壁ということになりますが。 あわせて、ケアンゴームズ北部圏谷(Cairngorms Northern Coires)と 称されます。東側に位置し、駐車場(あるいはケアンゴーム山頂)に 近い方が Coire an t-Sneachda、 その西側隣の圏谷が Coire an Lochain です。 ルートはいずれの圏谷でも 50m から最長 200m 程度なので、 日帰りで二本かそれ以上登るクライマーも少なくありません……(後略)

△この記事の全文は、以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/scotland.html#cairngorms


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次回予告

次回は… 「硬砂岩超伝統の豆鞘ルートへ挑む」

See you later!


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