△第37号: 地元で地元民との岩登り(ビーコンヒル)
- 発行日
- 2006/11/01
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
僕の現在の地元、レスター県は、丘はあれど山らしい山はなく、 岩場の数も残念ながらかなり限られます。点在する岩場も、
規模はごく小さいものです。高さにしても、ボルダリングと岩登りの 境界くらいがほとんどでしょうか。その中で、数少ない(レスター基準
で)「メジャー」なものの一つが、ビーコン・ヒル(Beacon Hill)です。 今回、先の正月山行で、
地の果てで劇的な再会を果たしたリッチと、岩登りに行った記録を 中心とします。リッチは生まれも育ちも地元民、ビーコン・ヒルは
彼のホームグラウンドなのでした。
あわせて、英国岩登りの解説として、「英国伝統登攀とハーケン (その二)」を書きました。 お楽しみ下さい。
目次
登山記録編 〜〜 地元で地元民との岩登り(ビーコンヒル) 〜〜
僕は、ビーコン・ヒルは初めてだ。 ガイドに
よると、なかなか楽しめそうではないか。
バスでえっちらおっちら揺られて、待ち合わせ場所に到着。
駐車場から歩くこと 5分、 Number Three Crag にすぐ着く。確かにほとんどのルートは簡単そう。下の地面もまずまず平坦で、 (ボルダディングの)着地も悪くない。ウォーミング・アップも兼ねて、 Forest Slabs (10m D) をソロで登る。核心は下部だから、長さの割には 大したことはない。
次いで、すぐ横の Number Four Crag に移動。着地の状態はほとんど理想的。 4〜5m の VD と HS とをソロ(というかボルダディング)で登った後、 6m の HVS 5c の Silk and Satin に取り付く。これは、難易度が示す通り、 結構な難物。地上 3m のクラックにたどり着くのが核心か。 特にリーチのない僕には厳しい。ムーブを計算して試行錯誤を繰返し、 ついに最後に、そこにたどり着いた! 上は簡単と思いきや、下部ほどでは ないにせよ、それなりにハードではないか。結構必死。登り切って ほっとした。なかなか楽しいルートだった。
この後、ここで一番目立つ The Beacon Face Left に移動し、僕が、Death Valley Nights (5m HVS 5a) をリードした。 こちらは、着地がよくないこともあり、ロープを使ったクライミングに なる。特に問題なくクリア。
リッチの都合があり、短いながら、ここでお開きとすることにした(実際、 すぐ雨が降り出した!)。ビーコン・ヒル、なかなかいいではないか! 僕は (同じレスター県北部の) Markfield よりも気に入った。近いし、 また再訪したいものだ。
△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20060401_beaconhill.jis.html
登山ミニ知識編 〜〜 英国伝統登攀とハーケン (その二) 〜〜
(前々号(第35号)「英国伝統登攀とハーケン」からのつづき。 以下、「ハーケン」に換えて、「ピトン」を統一した用語として用いています。)
前々号(第35号)にて、ピトンには重大な問題点が あると書きました。今回は、それについてです。
問題の第一は単純です。ピトンをハンマーで打ち込むのには、基本的に 両手とも自由に使える必要があります。垂直どころかオーバーハングも当たり前の 現代クライミングにて、登攀の真最中に両手とも使えるような贅沢な 状況はそう多くはありません。これが、ピトンの技術的欠点のひとつです。
技術的欠点だけなら、それでも使いたい人だけが使えばいい、ということに なりますが、実際は、ピトンには、さらに重大な問題があります。 ひとつには、一度(岩の裂け目に)打ち込んだピトンは回収されずに 残される(ことが少なくなかった)ということです。つまり、後から登る人は、最早、 最初に登る人と同じ条件で登るわけでは無くなります。結果、昔からある ようなルートなら、山のようなピトンが半永久的に残される、ということに なりかねません(後から登る人は、ルートに残された(残置)ピトンが信用できないと 思えば、自分で新しいピトンを打ち込みますから)。
現代の(特に米国で発達した)クリーン・エイドでは、原則として、打ち込んだ ピトンは、(同じパーティー内でリーダーの後に登る仲間が)回収します。 それでも、 特に有名なルートの場合、何百人もの人々が同じ岩の割れ目にピトンを打つこと に変わりはありません。つまり、次第に岩の割れ目が広がっていくことになります (それが顕著に見られる例は枚挙に暇がありません)。 言い換えれば、人が登るたび、ルートの形が徐々に変わっていくことになるのです。
保科雅則著「アルパインクライミング」(山と渓谷社)には、 ピトンの打ち過ぎですっかり原型と変わってしまった岩の写真があった ように記憶しています。「ピトンを打ち込む罪を感じる」という意味の コメントと共に。
こういったピトンの重大な問題点が 認識された結果、(ピトンよりも優れた方法の普及とあいまって)現代の 英国伝統登攀では、ピトンの使用はほぼ完全に禁止されています。 次の機会では、その点について掘り下げることにします。お楽しみに。
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu037.html
次回予告
次回は… 「ライン川辺の丘歩き(ドイツ中部)」
See you later!
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