△第84号: コーンウォール花崗岩の数々 (前編)
- 発行日
- 2008/12/11
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
冬本番? イングランドでも氷点下まで下がるのが珍しくない この頃です。僕は今週末からフランスへ氷壁登攀に行ってきます。
滝がちゃんと凍っているといいのですが。
さて、先の 5月にコーンウォール西端を訪れました。 1年前に行った(第61号)時と似たような顔ぶれで 同じ小屋に泊まり、今度は同地で最も有名な海岸壁を三つとも 登りに行きました。本号ではその前編の記録を中心とします。 その時行った岩場 チェア・ラダー は、有名な魔女マジー・フィギーの伝説でも知られます。 その紹介もしていますので、併せてお楽しみ下さい。
目次
- 登山記録編 〜〜 コーンウォール花崗岩の数々 (前編) 〜〜
- 登山ミニ知識編 〜〜 岩登り難易度の感覚 (その一) 〜〜
- 英国の山紹介編 〜〜 チェア・ラダー (Chair Ladder) 〜〜
- Webページ更新情報
登山記録編 〜〜 コーンウォール花崗岩の数々 (前編) 〜〜
初日、グレアムとチェア・ラダー(Chair Ladder)に行くことにする。 ここ Land's End 周辺の海岸の岩場のうち、最も有名な三つながら、 ここだけは僕は来たことがない。 コーンウォール(の先端部)はイングランドには珍しい花崗岩で有名だ。 コーンウォールでのクライミングは初めてだという グレアムだが、昨年カナダのスコーミッシュで花崗岩を随分と登って いたく気に入ったと聞く。ならば、コーンウォールも気に入るかも?
最初のルートとして選んだのは、主バットレスにある Diocese (61m, VS 4ピッチ)、 三つ星ルート。VS としては、非常にハードだという。 ガイド本によれば特に第二ピッチが「長く記憶に残る(memorable pitch)」という ことなので、そのピッチのリードをグレアムに譲って、僕が第一ピッチを リードする。 洞穴の中に半ば入ってピッチ終了。
そして、期待の第二ピッチ。核心(5a)。洞穴の中からルーフ直下を左に 5m ほど
トラバースして、そこから上に抜ける。下がすぱっと切れ落ちている 高度感抜群のピッチ。幸い、中間支点には事欠かない。とはいえ、
ぐずぐずしていると腕がつりそうな。真剣な表情のグレアム。 楽しんでるねぇ!
やがて緊張のトラバースを終え、上に登って無事リード終了。
僕のフォロー。ハンドホールドはよい。スタンスも細かいが、悪くない。 高度感は抜群。これは(フォローでなく)リードしてこそ楽しめる ピッチだと感じたところだった。問題なくフォロー。 そして眼下に海を眺めながら第三、四ピッチを交互にリードして、 登り切る。 確かに三つ星ルート、大いに楽しめた。
次に登るは Terrier's Tooth。 コーンウォール最上のルートの一つ(!)だという。 3ピッチの HS。ただし、第2、3ピッチは VDiff 級に過ぎず、 第 1ピッチが中間支点に問題のある 4b なのだとか (ガイド本に曰く「身のすくみそうな第1ピッチは、それなりの決意を要する」 )。
グレアムに第1ピッチのリードを任せる。 確かにまともな中間支点が取れずに、ちょっと怖そう。とは言え 所詮 4b、問題なく上まで登り切る。そのまま交互リード、 ピナクル(=柱状岩)の天辺に突き抜ける!
難易度の示す通り、技術的に難しくはない。しかし登っていく感じがよく、 特に最後に天辺に突き抜けるのが見事なラインだ。確かにこれも三つ星ルートに 疑いない。
ピナクルの天辺から懸垂下降で下まで降りて、今日の岩登りを締めくくる。 なかなかの一日だった。
(次回につづく)
登山ミニ知識編 〜〜 岩登り難易度の感覚 (その一) 〜〜
クライミングの話では、いつも難易度が出てきます。しかし 知らない限りぴんとこないかと恐れます。今回から数回に分けて
それぞれがどんな感じか、感覚的な解説をしてみたいと思います。
※岩登りの英国式難易度の定義については、以下の拙文をどうぞ。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/trivia/climbinggrades.html#gradesrockclimbing_uk
まず、岩登りに初めて行った人が(フォローまたはトップロープで)登るのは、 Diff(icult) (UIAAでII級) から Severe (米国式 5.5) 程度が普通です。 運動神経のいい人なら、VS 4c (米 5.7程度) までは何とか落ちずに登れるかも知れませんが、普通はよくて落ちる、あるいは 登れないものです。HVS (Hard Very Severe) 5a (米 5.8〜5.9) や それ以上になると仮に登れたとしても(運動神経のいい人でも)何度も落ちるのは 当然で、もし最終的に上まで登り抜けられたら拍手喝采です。そして、 Extreme つまり E1 以上になると、初心者・初級者には実質上不可能になります。
(つづく)
英国の山紹介編 〜〜 チェア・ラダー (Chair Ladder) 〜〜
チェア・ラダーは、コーンウォールの先端、 ペンウィズ半島(Penwith peninsula)の南海岸 Gwennap Head (Tol-Pedn-Penwith)内に 位置する海岸沿いの花崗岩の岩場です。
伝説に曰く、魔女マジー・フィギー(Madgy Figgy)がこの岩場の上に腰かけ、 時折、大気の精を呼び寄せて嵐を起こしては船を難破させ、 宝を奪い取っていた、ということです。この岩場はそんな椅子(のような構造)が 連なっていることに名(Chair Ladder; 直訳「椅子の梯子」)の由来があると聞きます。
ボジグランやセネンと異なり、 チェア・ラダーは、陸からその全景を見渡すことは 不可能で、また潮汐の関係で満潮時は取付に達することができない場所も 少なくありません(干潮時の 6時間が目安)。岩は、セネンに似て、 石英が散らばる粗い花崗岩です。 高さおおむね 40〜70m、2〜5ピッチのマルチピッチのルートが主です。 ……(後略)
△この記事の全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/cornwall.html#chair_ladder
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu084.html
次回予告
次回は… 「コーンウォール花崗岩の数々 〜〜 セネンの巻」
See you later!
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