△第64号: 英国最古、伝統の歩登攀ルート
- 発行日
- 2007/11/29
- 発行者・筆者
- まさ (坂野正明)
まさです。
先週末は、北ウェールズまで久々に、夏以来の本格的登山に行ってきました。
山頂目前で撤退を余儀なくされて、夜の雨中に垂壁を悪夢の連続懸垂下降、 日帰りながら下山予定時刻を 6時間以上もオーバーしてしまう
ていたらくになってしまいました。 無事生還してメルマガを発行できることを 嬉しく思います (^_^)
今回は前回に引続き、5月に行った湖水地方の山旅をお送りします。 テーマは、イングランド第二の高峰スコーフル山に達する 歩登攀ルート、 ブロード・スタンド(Broad Stand)です。 ブロード・スタンドは、スコーフル山と(イングランド最高峰)スコーフル・ パイク山との間の稜線上にあるコルの ミクルドール (Mickledore) から、スコーフルとの間に立つ壁のことです。 実はわずか高さ 2.8メートル(!)に過ぎないのですが、これがなかなか厄介。 難易度は、歩登攀の Grade 3 とされます(もしくは、岩登りの Diff だそう です。歩登攀に分類されるルートとしてはちょっと異常に難しいです)。
だったら無理に登ることあらへん (^_^; とも言えそうですが……、 せっかく湖水地方のこんな奥まったところまで来たなら、イングランド 第一と第二の隣り合った高峰両方を登ってみたいのもまた人情でしょう。 その時、邪魔になるのが、間に控えるブロード・スタンドというわけです。 ちなみに一般道は、ブロード・スタンド目前まで来てから、まさにそれを 避けるためだけに、標高にして 160m 降りて登り返す大回りになります。
という立地条件から、ブロード・スタンドが人々の注目を集めてきたのも 道理。そして、 サミュエル・テイラー・コルリッジによって、 1805年の 8月5日に登られました。それが、英国で記録に 残る最初最古の歩登攀(scrambling)とされています。
僕は、ブロード・スタンドは、3年前に、今回も同行した アダムと共に二人で登るはずだったの ですが、当時、道を外したおかげで、時間が遅くなり過ぎて断念することに なったものです。その時は、結局、出発した登山口と反対側のワズデイルに 降りる羽目になりました。今回は、そのワズデイルから出発して、 ブロード・スタンドを登ろう、という計画です。 今回(5月)の登山にはそんな歴史的そして個人的背景もあったものでした。 どうぞお楽しみ下さい。
目次
登山記録編 〜〜 英国最古、伝統の歩登攀ルート 〜〜
スコーフル(Sca Fell)山に、 歩登攀のルート ブロード・スタンド(Broad Stand) 経由で登る。 ルートは、Grade(難易度) 3 ではあるが、難しい箇所はごく限られると聞く。 そして、それ以外はいまいち、というのが、ガイド本の評価。 ただし、その核心部でもし落ちれば、(手前のミクルドールの)コルまで 転がり戻ることになるだろう、という話。この英国流の諧謔表現を日本語 で素直に表現するなら、死にますよ、ということか。 ザイルと若干、いや相当の登攀用具を持参する。
ミクルドール(Mickledore)のコルからすぐに、ブロード・スタンドに。 腕のパンプも回復したというアダムが今日はリードする。Fat Man's Agony (太っちょの苦難)と呼ばれる狭めの岩の隘路を抜けたところから、ピッチ開始。 左側から上に数メートル登り、核心前でアダムはピッチを切る。2.8 メートルの岩壁。 でも、下はそれなりの高度があるので、ザイル無しでここで落ちるのは論外だ。
まず一番左側を試すアダム。いまいちのよう。中央? それももうひとつ。右のコーナー? これはだめ。もう一度、中央に戻って、1回、2回、3回……今度は乗り越えた。 そのまま数メートル登って、確保へ。僕は右のコーナーから登ったが、 確かに少なくともコーナーはちょっと難しい。中央部の方が簡単だったか。
アダムは、いや、これはザイルは必携だったね、と。確かに。短いとは言え、 ザイルに感謝するルートだと僕も思った。さて、この後、何もないかと 思いきや、そうでもなく、Grade 1 の歩登攀が数10メートルか続いて、 実は結構楽しめた。そして、小雪の散らつく中、スコーフル山頂に。 いや、ブロード・スタンド、悪くないではないか。
△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20070526_laked.jis.html
英国の山紹介編 〜〜 スコーフル (Sca Fell)山 〜〜
スコーフル (Sca Fell)山は、 標高 964m、イングランドで 2番目に高い山です (1番は、隣のスコーフル・パイク (Scafell Pike))。 Scafell とも綴られます。発音は、伝統的には、Scawfle つまり「スコーフル」 ですが、昨今は「スカフェル」と発音される方が普通でしょうか(湖水地方地元の 高名なクライマーもそう発音していました)。
スコーフル山へ登る最短の道は、ワズデイル(Wasdale)のナショナル・トラストの 天場付近から登るものです。 あるいは、距離はずっと長くなりますが、 エスクデイル (Eskdale) から登ることもできます。もしくは……(後略)
△この記事の全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/laked.html#scafell
Webページ更新情報
- この記事は、以下にも載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu064.html - 「湖水地方@イングランドの山情報」
のページをかなり拡充しました。まず、 「湖水地方概観」の項に
手を入れ、若干読み易くしました。 「湖水地方の歩登攀」の項に、Broad
Stand を加え、 5本指の有名歩登攀ルートとしました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/laked.html#summary_scrambling
同ページに、「(湖水地方の)地域」 の章を加え、 「ワズデイル (Wasdale)」、 「エナデイル (Ennerdale)」 の項を書きました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/laked.html#areas
さらに、「観光」 の章を加え、北方山地地域にある 「ストーン・サークル」 の項を書きました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/laked.html#stonecircle
次回予告
次回は… 「庭仕事とルート開拓 (ケイドマン・ウッズ)」
See you later!
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