SaferClimbing.org
Published on SaferClimbing.org (https://www.sakano.co.uk)

Home > ▲欧州的登山生活▲

▲欧州的登山生活▲

作成者:admin 作成日:2006/05/23 - 14:49

→ 次へ ┃ ← 前へ ┃ ↑ 目次へ



△第21号: 大和撫子からのおたより

発行日
2006/05/23
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
この 1カ月で読者が急増しました。melma! で「いちおしマガジン」に 採り上げられたからでしょうか。登録下さった皆様、ありがとうございます。 本メルマガは、隔週刊として登録していますが、現在は、だいたい 週刊ペースで発行しています。お楽しみ頂ければ幸いです。

さて、今回は、本格的アルプス登山の後、ちょっと峠の茶屋で 一服(?)的な号となります(「流れゆく雲」?)。本メルマガで、先の 2/24 の第10号「大和撫子、英国式岩登りに挑戦」で、 日本人が初登場しました。そのうちの一人、ゆかさんから おたよりが届きましたので、紹介します。関連して、ゆかさんも 体験したフリークライミングについて紹介します。

目次

  • おたより紹介
  • 登山ミニ知識編 〜〜 フリークライミングとエイド 〜〜
  • Webページ更新情報

おたより紹介

◎ゆかさんから

楽しみましたよー。晴れ女の面目躍如の上天気の下、まるきり 絵葉書やガイドブックのまんまの景色の中、日頃使わない筋肉 を使い、高所恐怖症ながら「本場」の言葉にそそのかされ、好 奇心いっぱいに岩にしがみついてきました。

しかし、まさくん。英語が赤点だった人間に対し、生まれて初 めてのロッククライミングの講習が「英国人による英語」って のはありなのか? 目で見て覚えるにしても、コミュニケーショ ンに困らないゆきさんが居てくれて、本当にありがたかった…。

「料理を英語で」というのは昨今の流行ですが、「石舞台のような 巨石群を登るんだろう」程度の認識しかない素人が、 「ロッククライミングを英語で習う」ってのは、そうはないでしょう。 ええ、いい体験でしたとも。

そう、クライミングの靴。
こーいっちゃなんだけど、纏足のようですね。さすがにあの場 では言いませんでしたが(笑)。なんであんなきちきちの靴で登 るのか不思議。これも理屈があるんでしょうけどね。 山羊やカモシカの足先も細いからかなー、と思ったりしました が、「三寸金連」の言葉を思い出しました。

◎まさからのご返事

僕がもたもたとザイル他をセットしている間、 マークが、「ロッククライミングを英語で」教えてくれたんですね。 誰か一人がセットする必要があったもので……。 緊張させてしまったかも? すいません……。

「石舞台のような巨石群を登る」という認識があられたとは驚き、 それは大したものだと思います。僕が英国に来た時、そんなこと、 全然知らなかったのでした (^^;;

クライミング・シューズについてですが、 フリークライミングなら、立って痛いようならきつ過ぎ、歩いて痛くない ようならゆる過ぎ、と言われたものでした(最近は技術の進歩で、一応歩ける くらいの靴が普通かも?)。だから、実際に自分が登っている間以外は、 靴紐を緩めたり、普通の靴に履き代えたりして、足をいたわります。

なんであんなきちきちの靴で登るのか —— 同じ場所を、普通の運動靴で登ると、一発で理解できます (^^)。 ゆかさんが登られた場所、もし普通の運動靴だったら、不可能だったと 思いますよ。
最大の違いは、(運動靴は)靴の中で足が動くので、断然、不安定になります。 また、小さい足場に正確に足を乗せて、かつ体重まで乗せるには、 靴の外殻部ぎりぎりにまで実際の足がきている必要があります (あと、靴底の(岩との)摩擦も段違いです)。 結果、クライミングシューズの場合、1cm の足場があれば十分ですが、 運動靴なら、3cm でもちょっと不安定でしょう。 今、僕は、1950年代にスーパースターが開拓した、つまり、当時は 超一流の人のみが登れたようなルートを登っています。 僕が当時のロックスター並に技術を磨いたというわけではなく……、 最大の違いは靴の違いですね。1950年代は、運動靴くらいしか なかったわけですから。

——  ゆかさん、お便りをありがとうございました!


登山ミニ知識編 〜〜 フリークライミングとエイド 〜〜

(第9号「岩登りとザイル」からのつづきになります。)

登攀において、その昔は、「中間支点」には自然のものしか利用しま せんでした。たとえば木だったり、上向きに尖った岩角だったり。木 の幹に短い紐を回して輪っかを作り、その紐にザイルを通すことで、 どういう方向に落ちてもそこで止まるようになります。

そのうち、岩に楔を打ち込む、という手法が使われるようになりまし た。いわゆるハーケン(鉄釘)。一旦、楔を打ち込んだら、その楔は、 中間支点になるだけでなく、そこに手足をかけて登ることもできます。 加えて、その楔にあぶみ(一種の縄梯子)をかけることで、(比較的)容易 に登ることができるようになりました。こういう登攀方法をエイド・ クライミング(直訳すれば援助登攀)と言います。

エイド・クライミングは日本も含めて世界中で使われましたし、 ルートによっては今でもそうです。しかし、これだと、極論すれば、 どんな岩場でも誰でも登れます。 突き詰めれば梯子をたくさん持参して岩に固定していけばいいわけですから。 時間とお金と人数とさえあれば。

ということに疑問を持った人々が、 中間支点を作る(使う)のはいいとしても、それは万一落ちたときの保 険としてだけ使って、実際に登る補助には使わない、という「ルール」 を作りました。これがフリークライミングです。フリークライミング で、ある岩を登れるならば、それは実質的に、何も道具無しで登れる ことに等しい、というわけです。

「フリークライミング」 = 「危ないもの」と勘違いしている人を時 にみかけますが……、それは大いなる誤解です。通常、落ちたとき の保険として、ザイルで確保しながら登るわけですから。


Webページ更新情報

  • この記事は、以下にも載せました。
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu021.html

次回予告

次回は… 「毛も逆立つ歩登攀—ブリスリー稜」

See you later!


◎発行: まさ
WWW page: http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/
email: alpin…@s…

このメイルマガジンは以下のサイトのシステムで発行しています。

めろんぱん
http://www.melonpan.net/
melma!
http://www.melma.com/

メイルマガジンの登録・解除は以下のページからどうぞ。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/

お便りについて。

歓迎します! お便りはマガジン上で紹介させてもらうかも知れません。 ハンドル名(と差支えなければ居住都道府県)をお書き添えください (無指定の時は平仮名略字表示にします:「世界の環境ホットニュース」 方式)。逆にもし紹介して欲しく無い場合はその旨、明記下さい。



→ 次へ ┃ ← 前へ ┃ ↑ 目次へ

Alternative Links: 

melonpan
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php
ransta
http://www.melma.com/backnumber_154574_3202260/
melma
http://www.melma.com/backnumber_146606_3202263/

© Masa Sakano


Source URL (modified on 2006-05-23 14:49):https://www.sakano.co.uk/ja/magazine/backnumber/eu021.html#comment-0