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▲欧州的登山生活▲

作成者:admin 作成日:2006/06/05 - 18:34

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△第22号: 毛も逆立つ歩登攀—ブリスリー稜

発行日
2006/06/05
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
いい季節になってきました。欧州、特に英国は、この5月〜8月の4カ月のために、 あとのみじめな季節を耐え忍ぶ価値がある、というくらい、輝ける(そして 暑くない)季節です。夏至の頃なら、スコットランドは言うに及ばず、イングランド でも、晩は22時頃まで明るく、存分に素晴らしい季節を楽しめます。 皆さんの中には、そんな英国を登山、山歩きに訪れてみたい、という方も いらっしゃるかも? (うん、と言って下さい!) という方々のために、 必要装備を書いてみました。

本号前半は、昨年 8月末、アルプスの後の初山行となる北ウェールズ での登山記録です。当初は、初日に伝統のスラブ岩ルートを登攀した ことを目玉に書くつもりだったのですが……、どうも読みものとし て面白く書けない! というわけで、二日目の歩登攀の方の記録です。 グリデール・ヴァッホ山のブリスリー稜——"bristly"とは、 「剛毛質の」「毛が逆立っている」という意味——を登ってきました。

目次

  • 登山記録編 〜〜 毛も逆立つ歩登攀—ブリスリー稜 〜〜
  • 登山ミニ知識英国編 〜〜 夏山必要装備 〜〜
  • Webページ更新情報

登山記録編 〜〜 毛も逆立つ歩登攀—ブリスリー稜 〜〜

ジョンと北ウェールズに来る。 よく考えたら、北ウェールズは、ずっと冬にしか来たことがなかった。 夏山の今回、Glyders 付近でのマルチ・ピッチの本格的岩登りと歩登攀が 目的だ。

初日に岩登りした後、今日は歩登攀を 2ルートつなげて、山を二つ登り降り する予定だった。ただ、今日、天候が必ずしもよろしくない。そこで、 最初のルートを諦め、直接、目玉のブリスリー(Bristly)稜(スクランブリング Grade 1)へと向かう。

ブリスリー稜眼下のコルに着いた時点で やたら風が強い。 ここでハーネスを装着、ザイルも一応ザックの中にしのばせてある。

最初の壁を登った後、シニスター谷(Sinister Gully)を登る。「sinister」とは、 邪悪とかそういう意味。名の通り、ちょっといやらしい。何と言っても、二、三、 ちょうど手頃なところにある岩がぐらぐら動くのがぎょっとする。これで Grade 1 かぁ、とジョンのコメント。しばらく言って、3m の谷部に降りて登り返すの が、またちょっとした歩登攀。絶対、Grade 1 なんかではない、とジョン。

さらに歩を進め……、核心は、4〜5m の谷部。降りて登り返す。こりゃ、クライ ミングだよ、とジョンのコメント。まぁ、 そこまで難しいかどうかはともかく、Grade 1 としては、非常に難しく厳しいの は間違いない。スクランブリング Grade 1 は、山歩きの人にとっての(技術的に) 最高難度なのだが、それを信じてここに来てしまった山歩きの人は、かなり肝を 冷やすことだろう……。僕としては、ここは、Grade 2 または 3 と感じた。楽 しい「岩場歩き」ではあった。ただ、時々「弛い」岩があるので、注意を怠れな いルートでもある。

最後、ガイド本にある通り、突如として岩場が終わりを告げ、ここで一般登山道 と合流する。この頃には、雲の中に入っていて、視界 50m以下。そ して、ここの広い稜線は、悪天候時に迷いやすいことで悪名高い。英国の登山道 の「一般道」には、道標なんてないし。コンパスで方向を定めて、Glyder Fach (994m) の山頂に向かい、じきに無事たどり着く。有名な「ぶら下がり岩」の写 真を撮るジョン。

さて帰ろうか、という時、地図を見直して、ここは実は山頂の手前のピークでは ないか、と二人で合意する。晴れていれば間違えようがないだろうが、この時の 視界 20〜30m では、一見して判別できるはずもなし。コンパスをセットして西に歩 くこと 5分、真の山頂に着く。しかし、岩が濡れていて滑ること滑ること。 去年末の山行 3日目でトレバ ン山の北稜に行った時とまさにそっくりだった。

さて、山頂からは、(先に入口横を通ってきた)一般道経由で下る。再びコンパス を頼りに、ほぼ直進。ほどなく無事、辿り着く。30m 未満の視界の中としては 上出来というものだ。そこからはざれ場的な急勾配の一般道を慎重に下ってい く。勾配が緩くなった後は、平坦に近い Miner's track (一般道)を辿って、 一路、天場へ。雲の切れ間に時折見えるトレバン山の東壁が見事だった。

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20050826_glyder.jis.html


登山ミニ知識英国編 〜〜 夏山必要装備 〜〜

英国のアウトドアの装備は、外では、何をするにせよ、基本的に全て自前で まかなう、のが原則です。自己責任が徹底している、と言ってもいいです (救助体制はちゃんとしてますよ。救助された側が責められない分、日本より ましでしょう)。つまり、道標がなければ歩けない、鎖がなければ岩場歩き できない、残置ボルトが無ければ登攀できない、という人には、(ガイド なしでは)厳しい場所 になります。逆に、過剰親切な 人工物が無いのを魅力と捉えるなら、素晴らしい場所と言えましょう。 山歩きなら、僕は(フレンチ)アルプスよりも英国を選びます。アルプスの 山歩き道には、日本と同じで無粋なものが多くて。

必要なもの (山歩き)
登山靴 (防水のものが望ましい。スコットランドでは必須。)
防水衣
ナビゲーション用具 (地図が読めることが必須)
無線機? (山深くはないので不要?; 山中では携帯電話は期待薄)
防虫ネット (夏期スコットランドでは必須?; 不要@英国中南部)
必要なもの (岩登り)
ダブルロープとそれ用の確保器(8環不可、シュテヒト環疑問)
ナッツ 2セット、マイクロナッツ 1セット、ヘックス 1セット、フレンズ 1セット (=安全を見た時のセット)
ぬんちゃく(15cm〜60cm)×10 (10cmのものはほぼ無用)
ナッツキー
登山用ヘルメット、ハーネス他通常の登攀装備
(多分)必要ないもの
サングラス、麦わら帽子
「軽量」テント (ほとんどの天場は車横づけ型)
大型ザック (が必要なほどの遠征できる場所は少ない)
渓流靴などなど (楽しそうな沢はほぼ皆無?)
携帯便所 (一般に排泄物までは持ち帰る必要なし)

Webページ更新情報

  • この記事は、以下にも載せました。
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/magazine/backnumber/eu022.html
  • ウェールズの山の高度について、以下にまとめました。
    http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/info/wales.html#altitude

次回予告

次回は… 「雲つく雌鳥、再び」

See you later!


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