▲欧州的登山生活▲

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第88号: ピーク地方夕べの山猫岩登り

発行日
2009/03/23
発行者・筆者
まさ (坂野正明)

まさです。
登山家にとっての最高の賞とされる黄金のピッケル賞に 日本人が 3組もノミネートされたと聞きました。 めでたいこととして、今回はそのニュースについて、 登山ニュース編を書きました。

定番の登山記録は、先の夏の夕方、ピーク地方まで行って 登った岩登りについてです。英国の場合イングランドでも 高緯度なのと夏時間のため、夏至の時なら、22時くらいまでは 明るいので、夕方の時間を利用して登らいでか、という次第。 また、秘伝「寒く冷たくならない方法」 (その二) も書きました。 お楽しみ下さい。

目次


登山記録編 〜〜 ピーク地方夕べの山猫岩登り 〜〜

Bowline Climbing Club の夕方山行に参加。 今日の場所は ワイルドキャット (Wildcat)、 石灰岩の岩場。

駐車場から 10分で岩場到着。林の中にある高さ 40メートル程の岩場。 今日は時間節約のため、1ピッチで登り切る。 まず、VS の Derek's Dilemma から。せいぜい 20メートルにしか見えないが……、 登ってみたらきっちり 40メートルありました。 なんて頼りない僕の眼力!

続いて同じく VS (5a, 5a) の Coyote Buttress を。オーバーハングがあるも、ホールドは申し分なく、 楽しく登れて、ここでお開き。 夕方だけで 80メートルも登れたとは、十分過ぎる。 日の長い英国の地に感謝!

△以上、記録の一部。全文は、以下に載せました。
 http://alpiniste.hp.infoseek.co.jp/record/uk/20080703_wildcat.jis.html


登山ミニ知識編 〜〜 秘伝「寒く冷たくならない方法」 (その二) 〜〜

(第86号「寒く冷たくならない方法 (その一)」からのつづき。)

1. 断熱効果を高める

1.1.1) 暖かい靴を使う

ひと口に冬靴と言っても、靴によって暖かさはかなり差があります。 端的にはシングルの(皮)靴に比べ、 二重靴(ダブルの靴)を使えば、ずっと暖かくなります。 ただし、断然、重くなり、また靴が大きい分、コントロールが 難しくなって、難しいルートを登るのは困難になります。 別の言葉で言えば、易しい場所でも足を踏み外したり、スリップ したりする危険性が高くなります。

重くなる、ということは、それだけ体力も必要とします。 靴の重さは、リュックサックに入れて背負う場合の重さの 2倍か 3倍効いてきたはず。一歩一歩、挙げては下ろしているわけだから当然。

靴の構造と手入れも暖かさに効いてきます。まず防水効果は最重要です。 純粋に皮の靴よりも、同じ重さで比較するなら、断熱材が入って いるものの方が暖かいのが普通だと思います(ただし耐久性には劣ります)。 また、透湿性の素材の層(ゴアテックスなど)が入っていると、 靴の中の蒸れがましになるので、それは効いてくるでしょう。 可能ならば、山行中は毎晩、靴の中をよく乾かします。特にインソールや インナーブーツは靴から外して、できるだけ乾かすよう努力することで 違いが出てきます。

(つづく)


登山ニュース編 〜〜 黄金のピッケル賞候補 〜〜

世界の登山家にとって最高の栄誉ある賞とされるのは、 ピオレ・ドール(Piolet d'Or; 黄金のピッケル[賞])です。 2009年のピオレ・ドールの候補者が最近発表されましたが、 候補者 6組のうち、なんと 3組は日本人でした(ただし、 2組は同一。同賞は、登ったルートを基にして与えられるので、 同じ人が複数の候補になることがあり得ます)。 英国でも注目を集め、英国の登山界の最標準サイトの ukclimbing.comでは、 佐藤裕介さんへのインタビュー記事が最近、掲載されました。 ちなみに、同じく同賞候補の谷口ケイさんが通訳をされたとか。

日本人の登山熱は、英国でもそれなりに知られています。 実際、ある時期の高所登山で、世界で最もたくさんのルートを 登ったのが日本で、次が英国、という話を聞いたことも あります(曖昧ですいません)。一方、日本の登山隊の登山 形態は今も包囲法(極地法)が多く、これは特に英国のクライマーには 全然受けません。金の力で登っていると言えなくも ありませんから。実際、すでに 1988年、英国の登山雑誌で ラインホルト・メスナーが日本の登山形態に批判的な寄稿を していたのを見かけたのを覚えています。

簡単に解説すると、包囲法とは、大量の人員と物資を 動員し、アタック隊への道筋は他の隊員(例えばシェルパ)が 事前につけ、たとえば障碍物や難しい箇所には梯子を渡し、何百メートル ものロープを固定し、アタック隊への食料や燃料も他の人が担ぎ上げ、 と計画的に時間をかけて、 選ばれた二人または数人が登頂を目指すものです。チリの有名な セロ・トーレ(Cerro Torre)山では、ある登山隊が担ぎ上げた 100キロかそこらある (ボルトを固定するのに使われた)コンプレッサーが今も垂壁に鎮座ましましています。 極論すれば、頂上までずっと梯子とてすりを積み重ねてもいい、 それが包囲法です。その対極にあるのがアルパイン・クライミングで、 出発点(ベースキャンプ)から帰り着くまで、自分たち以外の誰の助けも 借りない、つまりチーム全員が共同で登って降りてきます。

今回、佐藤さんにしても谷口さんにしても、アルパイン・クライミング による快挙が評価されたものです。 登山とは栄誉を目指すものではないにせよ、 挑戦の副次的結果として栄誉がついてくるのはめでたいことです。 そして世界で高く評価されるような日本人の登山があったことを、 僕としては嬉しく思います。


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次回予告

次回は… 「5年越しの目標の道 (ミルストーン・エッジ)」

See you later!


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